1.旅人であり仮住まいの人々への手紙
・今日は聖書日課の示すところに従い、ペテロの手紙を読みます。ペテロの手紙は、ペテロが弟子シルワノ(使徒言行録ではシラスと呼ばれています)に口述筆記させて書いた手紙と言われています(5:12)。ペテロはローマから、アジア州に住む異邦人改宗者にあてて手紙を書きました。彼らが迫害の中にあって苦しんでいたからです。異教社会の中でクリスチャンになることは、時には、地域共同体から孤立し、苦難を受けることを意味します。何故ならば信仰者の生き方は世の人々と異なるからです。その彼らにペテロは書きます「今しばらくの間、いろいろな試練に悩まねばならないかもしれませんが、あなたがたの信仰は、その試練によって本物と証明され、火で精錬されながらも朽ちるほかない金よりはるかに尊くて、イエス・キリストが現れる時には、称賛と光栄と誉れとをもたらすのです」(1:6-7)。あなた方の受ける試練が天に宝を積む、だからその苦しみを耐えなさいとペテロは言います。ペテロの手紙のあて先となったアジア州のキリスト者と、私たち日本に生きるキリスト者は似た状況に置かれています。共に、少数派であり、信仰を表に出して生きれば、苦難が与えられる可能性があるからです。異教社会の中で私たちはどのように生きるべきか、今日はペテロの手紙第2章から聞いていきます。 (続き…)