すべて重荷を負うて苦労している者は、私のもとに来なさい。

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10 27

1.ピラトの裁判

・マルコ福音書から受難物語を読んでいます。木曜日の深夜、イエスは捕らえられ、夜の内に大祭司の屋敷で祭司長たちの審問を受け、死刑を宣告されます。正式な裁判である最高法院(サンヘドリン)の審理は夜明けと共に始まり、イエスの死刑判決が確定します。しかし、当時のユダヤはローマ総督の支配下にあり、ユダヤ人自治組織である最高法院は死刑執行権を持っていなかったため、イエスをローマ総督ピラトの下に連行して死刑判決を求めます。そしてピラトによる裁判が始まります。それが今日読みます15章初めの記事です。 (続き…)


カテゴリー: - admin @ 08時11分11秒

10 20

1.ペテロの否認

・マルコ福音書から受難物語を読み続けています。イエスがゲッセマネの園で捕らえられた時、弟子たちは自分たちも捕らえられることを恐れて逃げ去って行きます。ペテロも一旦は逃げましたが、しかしイエスのことが心配になり、イエスが連行された大祭司の屋敷まで後を追いかけていきます。しかし、その屋敷で大祭司の女中から「あなたもあのナザレ人の仲間だ」と問われ、思わず否定します。しかしさらに追求され、最後は「誓って知らない」と強く否定し、その時にイエスが先に言われた言葉、「鶏が鳴く前に三度私を知らないと言うだろう」(14:30)という言葉を思い起こし、外に出て激しく泣き出します。「ペテロの否認」物語は多くの人々に、「これは私の物語」だと思わせる真実性を持って迫ります。人は信じていてもその人のためには死ねない存在だからです。だれでも、多かれ少なかれ、他の人を裏切った苦い経験を持っています。多くの画家がこの物語を絵画表現しましたが、レンブラントはルカ福音書に基づいて「聖ペテロの否認」という絵を描きました。罪を犯したペテロをイエスが遠くから悲しげな目で見つめる構図になっています。 (続き…)


カテゴリー: - admin @ 07時53分24秒

10 13

1.ゲッセマネから大祭司の邸へ

・マルコ福音書の受難物語を読んでいます。イエスは木曜日の深夜、オリーブ山のふもとにあるゲッセマネの園で捕縛され、大祭司の邸に連れて行かれました。そこには祭司長、長老、律法学者が既に集まり、イエスの裁判が始まったとマルコ福音書は記します(14:53-55)。祭司長、長老、律法学者は最高法院(サンヘドリン)の構成員でした。当時のユダヤはローマの支配下にあり、ローマ総督の管理下に最高法院が自治権を与えられて統治し、その議長は大祭司でした。イエスは大祭司の命令によって捕えられ、その大祭司が議長を務める最高法院で裁かれたとマルコは伝えます。捕えた者が裁くのであれば、最初から有罪は決まっています。裁判の席には裁判官と告発者だけがおり、弁護者も群衆もいません。そのような中でイエスは審問を受けます。
・多くの者がイエスの罪を明らかにする為に偽証する中で、イエスは沈黙を守られ、一言も弁明されませんでした。しかし大祭司が「あなたは神の子、メシアなのか」と尋ねた時には、はっきりと「私がそれである」と答えられたとマルコは伝えます。イエスが自分は神の子、メシアであると公に認められたのはこれが始めてです。そしてイエスが神の子、メシアであるとすれば、人間は神を被告席につけて裁いたことになります。マルコは、神が人間によって裁かれ、有罪とされ、死刑を宣告されるという出来事が起こったとここに記します。それは、どのようにして起こったのか、それが現在の私たちにどうかかわるのかをご一緒に考えて見たいと思います。 (続き…)


カテゴリー: - admin @ 08時23分26秒

10 06

1.イエスの逮捕

・マルコ福音書の受難物語を読み続けています。最期の晩餐を終えられたイエスと弟子たちは祈る為にオリーブ山に向かわれました。オリーブ山はエルサレム郊外にある小高い丘で、そのふもとにゲッセマネ(油絞り)という園がありました。イエスと弟子たちはこれまでに何度も祈りのためにゲッセマネに来ておられました(ヨハネ18:2)。その場所でイエスは弟子たちに共に祈ってくれるように要請されます「私は死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、目を覚ましていなさい」(14:34)。死を前にして、イエスはもだえ苦しまれました。マルコはイエスの祈りを伝えます「アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯を私から取りのけてください。しかし、私が願うことではなく、御心に適うことが行われますように」(14:36)。しかし神からの応答はありません。イエスはその沈黙の中に神の意志を見出されました。「誰かが苦しまなければ救いはないのであれば、私が苦しんでいこう」とイエスは決意されます。弟子たちは眠り続けています。イエスは弟子たちを起こして言われました「立て、行こう。見よ、私を裏切る者が来た」(14:42)。 (続き…)


カテゴリー: - admin @ 07時41分52秒

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